木工DIYで家具をつくっていると、使っていくうえで自由に動かしたいモノなんか出てきませんか?
そんな時に使えるのが『キャスター』です。
キャスターがあると、どこでも自由に移動させることができます。
でもキャスターって、どうやって取り付けたらいいのか分からないなぁ。
素材や種類もいろいろあるみたいだし、どれを選んだらいいのか分からないよ。
初めてキャスターを扱う人からしてみると、分からないことだらけですよね。
私自身、初めて使う時はどのキャスターを使ったらいいのか悩みました。
そんな悩みを解決するために、今回の記事ではキャスターについて詳しく解説していきます。
- キャスターの材質
- キャスターの種類
- キャスターの選び方
- おすすめの取り付け方法
- キャスターの許容荷重
キャスターとは
キャスターとは、見た目どおり小さい車輪のことをいいます。
しかし、これだけ小さい車輪でも1つのキャスターで30㎏くらいの耐荷重があり、1つの家具に4つのキャスターが付くため100㎏以上耐えることができます。
大きなテーブルや作業台、人が座るイスにも使えるので、いろいろなDIY製作で活用できます。
キャスターの取付タイプ
まずは、キャスターをどのような取り付け方にするかを決めましょう。
取付タイプがいくつかあるので、使い分ける必要があります。
プレートタイプ
プレートの角に4つの穴があいており、この穴を使ってネジで固定します。
プレートの面で材料を支えるため、耐荷重に優れており、木工DIYでは一番よく使うタイプになります。
ネジで固定するだけなので、取り付けも簡単です。
ねじ込みタイプ
プレートタイプでは取り付ける場所の面積がある程度必要ですが、このねじ込みタイプであれば狭い場所の取付が可能です。
テーブルやイスの脚などといった、細い材料に向いています。
しかし、材料に穴をあけ鬼目ナットを入れて取り付ける必要があるので、取り付けに手間がかかるのが欠点です。
差し込みタイプ
木工で使うことはないと思いますが、差し込んで使うタイプです。
相手方の材料に差し込むソケットがいるので、別に揃える必要があります。
市販で販売されているチェアなどに、よく使われていますね。
キャスターの材質の選び方
キャスターの車輪には、さまざまな材質があります。
見た目はもちろん、耐久性や走破性などの機能面でも違いがあるので、用途や場所によって使い分ける必要があります。
ゴム
数種類ある素材のなかで最も一般的なのが、ゴム素材。
弾性や静音性に優れており、比較的安定して移動ができ、転がす時の音も静かといったメリットがあります。
しかし、摩擦が強く汚れがつきやすい、油や熱、耐候性が弱いといったデメリットがあります。
ナイロン
ナイロン製のキャスターは、強度が強いのが特長です。
ゴム製に比べ、摩擦が少ないため始動性がよく、天候や環境に影響されにくいです。
ほかにも重量物を載せても耐えるほど強度があり、床を汚すこともないため、ゴム製とは対照的なタイプです。
デメリットとしては、凹凸の床面を使うと振動や音が発生するので、使う場所が限られます。
ウレタン
ウレタン製のキャスターは、ゴム製とナイロン製それぞれの長所を取り入れた素材です。
適度な弾力があるので、転がしやすく汚れや音の心配もありません。
屋内・屋外でも使用でき、デメリットが少ないのがメリットと言えます。
私の場合、屋内ではウレタン製を使うことが多いです。
エラストマー
エラストマー製キャスターは、ゴム製キャスターのメリットを持ち、デメリットを消した素材です。
油や熱、耐候性にも優れており、床に汚れをつけることもありません。
ウレタン製と同じでさまざまな場所で使用できますが、他に比べコストが高いのがデメリットです。
自在キャスターと固定キャスターの選び方
キャスターには、「自在式」と「固定式」の2種類があります。
この2種類の配置と組み合わせで、家具の移動性能が変わってきます。
自在キャスターと固定キャスターの違いとは?
自在キャスター
自在キャスターは360度の旋回が可能で、自由な方向に進むことができるキャスターです。
お買い物で使うカートや、キャスターがついたチェアなどに使われています。
固定キャスター
固定キャスターは、進行方向が固定されるキャスターです。
直線に進む場合に操作しやすいため、使うことが多いです。
配置と組み合わせ方
自在キャスターと固定キャスターの配置・組み合わせで、その家具の機動性が変わります。
家具に4つのキャスターをつけた状態で解説します。
4つ全て自在キャスターの場合
用途:軽いもの向き
小回りしやすく、狭い場所や頻繁に方向転換する時などに便利です。
デメリットとしては、全て自在キャスターであるため直進が苦手でフラフラしやすいため安定性は低いです。
前側が自在キャスター、後側が固定キャスターの場合
用途:軽いもの向き
固定キャスターを押す側に取り付けると、移動しながらの方向転換が操作しやすくなるメリットがあります。
固定キャスターが2つ付いているため、全て自在キャスターにするよりも動きが安定します。
しかし、方向転換の操作をする時はある程度の力が必要です。
前側が固定キャスター、後側が自在キャスターの場合
用途:重いもの向き
自在キャスターを押す側に取り付けると、固定キャスターを押す側にした場合に比べて軽い力で旋回できます。
そして自在キャスターと固定キャスターの組み合わせにより、操作時の動きも安定します。
方向転換する際は、固定キャスター側が中心になるため広いスペースが必要になるのがデメリットです。
ストッパーの有無も選ぼう
キャスターにはその場で動かないようにロックしたり、移動時には解除したりできる「ストッパー」がついたキャスターがあります。
ある家具に対して4つのキャスターを取り付けるのに、そのうち2つをストッパー付きタイプにするだけでも十分ロックできます。
DIYでキャスターを購入する時は、4つのうち2つはストッパー付きタイプを選ぶといいでしょう。
キャスターにストッパーが付いていなくても、別売りでキャスターの下に敷くストッパーもあります。
このストッパーの上にキャスターを載せることで、同じようにロックできます。
キャスターの許容荷重はどれくらい?
キャスターには許容荷重が表記されていますが、複数のキャスターを使った時はいったいどれほどの荷重に耐えられるのでしょう?
複数のキャスターを使った時の、許容荷重の計算の仕方は以下のとおりです。
キャスターの荷重 × キャスターの取付数 × 0.8 = 許容荷重
許容荷重10㎏のキャスターを4つ使った場合の、載せることのできる荷物の重さは…
10㎏ × 4つ × 0.8 = 32kg
つまり32㎏まで載せることができるね!
こんな感じで、簡単に許容荷重を出すことが出来ます。
キャスターは必ず許容範囲内で使用しましょう。
まとめ
今回は、キャスターについて詳しく解説してきました。
キャスターだけでも、これだけの素材や種類があるのにビックリですよね。
キャスターを買う時は、使用する場所や用途、組み合わせに荷重をよく考えて選びましょう。
それでは皆さま、ご安全に。
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