お疲れ様です、ichiです。
木工をするうえで、欠かせないのが「集塵」。
作業中に発生する木屑や粉塵をしっかり吸い取ることで、作業環境を快適に保てます。
集塵で真っ先に思いつくのが、集塵機や掃除機を使った方法ですが、吸い取った木屑や粉塵の処分やフィルターの清掃が面倒だったりします。
その問題を解決するのに便利なのが、「サイクロン装置」です。
今回は、「塩ビ管・サイクロン本体・延長ホース」を使って、作業部屋にサイクロン装置を自作したので、その工程を詳しく紹介します。
YouTubeでも配信しているので、動画で観たい方はこちらをご覧ください。
なぜサイクロン装置が必要なのか?

木工の集塵機は一般的にフィルターや紙パックで粉塵をキャッチしますが、微細な木屑がフィルターを詰まらせ、吸引力が低下することが多いです。
その問題を解決してくれるのが、「サイクロン」という装置。
遠心力で木屑と空気を分離し、大部分のゴミをサイクロン側の容器に落とせます。
サイクロン装置を導入することで、メリットとなる理由は以下のとおり。
- 集塵機のフィルターが詰まりにくくなり、吸引力を長く維持できる
- 溜まったゴミの処分が簡単になる
- 集塵機に取り付けられたフィルターの清掃頻度を少なくする
集塵機の使用やメンテナンスで、大きく改善されることばかりです。
使用した材料と道具

今回のサイクロン装置には、以下の材料を使用しました。
- 材料
-
- 塩ビ管(長さ2000mm)
型番:VU100 - 排水キャップ ×2(上蓋・下蓋)
型番:CUHC-100 - サドルバンド
型番:100A - サイクロン本体
- ボルト・ナット(サイクロン本体固定用)
- 洗濯機排水ホース 延長用(3m・1.5m)
- ホースコネクター
- ホースバンド(25-40mm)
- 集塵機(既存のものを使用)
- 結束バンド(ホース固定用)
- 塩ビ管(長さ2000mm)
- 道具
-
- ジグソー/丸ノコ(塩ビ管のカット用)
- インパクト・ドリル(ネジ締め・穴あけ用)
- 自在錐
- メジャー
- マーカー
私の場合は、これだけ使いました。
設置する環境によって、必要なものや不要なものが変わってくるので、参考にしてみてください。
サイクロン装置の製作工程

塩ビ缶の上蓋となる排水キャップに、サイクロン本体をセットするための穴をあけます。
今回は「自在錐」で穴をあけましたが、ジグソーで丸くカットする方法もあります。

ちなみにサイクロン本体の径が「約80mm」だったので、余裕をつくるために穴の大きさは若干大きめの「81〜82mm」くらいにしました。

サイクロン本体を固定するのにボルトで3点止めするため、ボルトを通す穴をあけます。

穴をあける位置は、サイクロン本体を排水キャップにセットした状態でマーキングすると簡単に分かります。

取付穴とボルト穴をあけたら、排水キャップにサイクロン本体を入れて、ボルトとナットで固定します。
これでサイクロン本体の取り付けは完了です。

塩ビ缶の長さは、2000mm。
そのまま使ってもいいのですが、天井高2400mmの部屋ではちょっと長すぎるので、1500mmにカットしました。
手ノコで切ると時間がかかるので、丸ノコかジグソーを使います。
私は丸ノコでカットするのは怖いので、ジグソーでカットしました。

確認の意味も含めて、サイクロン本体を取り付けた排水キャップを、塩ビ缶にセットします。
塩ビ缶の切断面が荒く傾斜になっていたりしていましたが、そんな状態でも排水キャップを取り付けることができました。

集塵機のホースだけでは長さが足りないため、集塵機とサイクロン本体の間に延長ホースを組み込ませます。
延長ホースとサイクロン本体の口径がほぼ同じだったので、余っていたホースコネクターを使いました。

吸入用の延長ホース(3m)を、サイクロン本体に接続します。
ここは、ホースバンドを使って固定しました。

サドルバンドを使って、サイクロン装置となる塩ビ缶を固定します。
上下の2箇所を固定。

そのままではホースが垂れ下がるので、結束バンドで固定。
あとで抜きやすくするために、大きめの輪をつくりホースを通しました。

最後に排水キャップを、塩ビ缶の底に取り付けます。

塩ビ缶を使った、サイクロン装置の設置完了です。
ペール缶がよく使われていますが、塩ビ缶を使ったことで省スペースで設置ができました。
実際に木屑・粉塵を吸引してみる

完成したサイクロン装置がどれだけ集塵できるのか、木屑や粉塵を実際に吸引してテストしてみました。
サイクロン装置を介しても、吸引力には影響はありません。
他にも、サイクロン装置を取り入れた効果を見ていきましょう。

まずは、サイクロン装置を使っていることで、集塵機単体のときと比べてフィルターの目詰まりが圧倒的に少ないことではないでしょうか。
フィルターに目詰まりしないことで、吸引力が持続することも確認できました。

塩ビ缶内にゴミが溜まることで、集塵機のタンクにはほとんどゴミが入っていません。
細かい粉塵も、しっかり分離してくれているようです。

塩ビ缶の底に取り付けた排水キャップを外してみると、このようにゴミが溜まっています。
処分する時は、ゴミ袋をセットして排水キャップを外すと簡単に処理できます。
丸ノコにつなげても吸引できるのか?

サイクロン装置の本領発揮は、電動工具との連携です。
今回は、丸ノコに接続して吸引力をチェックしてみます。

実際に使ってみると、カット中もしっかり吸引してくれています。
切断中の視界がクリアで、安全性も向上するので、効果抜群。

私が使っている丸ノコは集塵タイプですが、いつもボックスの中に大量に溜まる粉塵が全くありません。
粉塵が舞わないことで、クリーンな作業を維持することができるのも助かります。
まとめ

サイクロン装置を導入したことで、作業環境が激変しました。
メリットをまとめると、以下のとおり。
- 集塵機単体のときと比べて、フィルターの目詰まりが圧倒的に少ない
- サイクロン本体に木屑がたまり、集塵機のダストバッグにはほぼゴミが入らない
- 細かい粉塵もかなりキャッチできる
- 電動工具を使ったときの粉塵が大幅に減少
- 集塵機のフィルターが詰まりにくくなり、作業後のメンテナンスがラクになる
- 切断中の視界がクリアで、安全性も向上
サイクロン装置があるだけで、作業部屋がかなり快適になりました。
今回、自作したサイクロン装置は、集塵効率が大幅に向上することが分かりました。
特に、フィルター詰まりが減り、吸引力が持続するのが大きなメリットです。
木工をするなら、サイクロン装置の導入は間違いなくおすすめ。
市販品もありますが、自作すればコストを抑えつつ、作業環境に合ったサイズで作れるのが魅力です。
作業部屋の集塵に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
それでは皆さま、ご安全に。
コメント