【木工DIYにおすすめ】天然素材のみつろうクリーム/蜜蝋ワックス

お疲れ様です、ichiです。​

今回は、私がいつも木工で使っている塗料のご紹介です。

塗料といったら皆さんが想像するのは、「ステイン」や「ニス」などではないでしょうか。

私もDIYを始めた当初はそういった塗料を使っていましたが、今では基本的に「蜜蝋ワックス」を使っています。

蜜蝋ワックスは、木材にも本革にも使うことができる万能塗料。

DIYでは当たり前なペンキなど様々な塗料をこれまでいろいろ使ってきましたが、今回ご紹介するこの「蜜蝋ワックス」が一番使いやすく仕上がりもきれいなので気に入ってます。

天然ワックスを使うことで、「木」本来の木目や色合いを活かすことができ、人にも優しいといったメリットがあります。

テレビ台もこたつも蜜蝋ワックスで塗装

上の写真を見ると、木の温かみが強調されているように見えませんか?

テレビボードにもコタツにも、蜜蝋ワックスを塗って仕上げています。

定期的に塗ってあげることで、この鮮やかな色合いをキープすることもできます。

今回はそんな『蜜蠟ワックス』の魅力と使い方をお話していきます。

目次

蜜蝋ワックスとは?

蜜蝋はミツバチの巣から蝋を精製した「ミツロウ」と、植物油を混ぜて作られた天然のワックスです。

主成分はミツバチが巣を作る際に分泌する天然のワックス(蜜蝋)と植物性オイルで、環境に優しく安全性が高いのが特徴。

肌にも優しく、子供やペットが舐めてしまっても大丈夫で、安全面でも優れています。

木材に塗布することで、保護効果を与えながら、自然な艶と温かみのある仕上がりを楽しむことができます。

さらに蜜蝋ワックスには3つのタイプに分別されていて、使う木材によって使い分けることもできます。

簡単に説明すると、原料の蜜蝋とエゴマ油の配分比率の違いで、固さが異なります。

3タイプは、「Aタイプ」「Bタイプ」「Cタイプ」に分別。

感覚的にはAタイプがバター、Bタイプがヨーグルト、Cタイプはマーガリンみたいな感じですが、分かりにくいですよね。

もう少し詳しく説明します。

Aタイプ

適した木材 …桐、コルク、ベニア、構造用合板などの塗料が吸い込みやすい木材

家具なのに塗るのに向いています。

Bタイプ

適した木材 …竹、ベニア、構造用合板、MDF、木の箸や食器類など

3つのタイプの中でも一番やわらかいのですが、缶から液漏れしやすくエゴマの匂いが強いので、一般的にはあまり使われていません。

Cタイプ

適した木材 …無垢材(ヒノキ、杉、パインなど)ほとんどのものに適応

伸びやすく塗りやすいので、床などの広い面積を塗るのに最適。

よく使われているのが「Aタイプ」と「Cタイプ」ですが、これは好みによります。

私は両方使ってみて、今は「Cタイプ」を使っています。

蜜蝋ワックスの特徴

1. 自然素材で安心・安全

蜜蝋ワックスは化学物質を含まず、食品に触れる木製品(カッティングボードやスプーンなど)にも安心して使用できます。

お子様のいる家庭や、環境に配慮した生活を目指す方にも適しています。

2. 保護と艶出し効果

木材表面に塗布することで、表面に膜ができ保護効果があり、傷や汚れから保護します。

また、艶やかな仕上がりが木材の自然な美しさを引き立てます。

他にも化学塗料と違って、天然素材を使用したワックスのため木材の呼吸をさえぎることなく、木材本来の調湿作用にも影響がないのが特徴です。

3. 撥水性

蜜蝋ワックスは木材に薄い保護膜を形成し、水や湿気を弾く効果があります。

ただし、防水ではなく撥水程度のため、頻繁な水濡れには適していません。

4. 簡単なメンテナンス

傷や汚れが気になる場合でも、再塗布することで簡単に修復できます。

これにより、長期間にわたって美しい状態を保つことができます。

蜜蝋ワックスの効果

蜜蝋を塗ることで表面に膜ができ、3つの効果が得られます。

  • 汚れ防止
  • 防腐効果
  • 撥水効果

水滴が付着しても、塗布する前と比べるとシミになりにくい効果があります。

しかし、化学塗料の塗膜ほどの効果はないので、定期的なメンテナンスが必要です。

メンテナンスといっても、塗り直すだけだから簡単にできるぞ!

DIYが好きな人なら、それも楽しみながら出来そうだね。

また化学塗料ほどのツヤは出ませんが、自然な雰囲気のまま木材を保護できるため、木材本来の風合いを活かすことができます。

蜜蝋を塗ることで木目が良い意味で目立ち、杉の赤身に塗ると特に色合いに深みが出ます。

ナチュラルな雰囲気がお好きな方には、向いていると思います。

蜜蝋ワックスの使用感

蜜蝋ワックスは非常に扱いやすく、まんべんなく塗ることで塗りムラも出ないので誰でも扱うことができます。

亜麻仁油やクルミ油などといった天然オイルは天然油特有の香りがしますが、蜜蝋であれば自然な香りがほのかにして抵抗がありません。

蜜蝋ワックスの使い方

蜜蝋ワックスを使う際に、準備するものはこちら。

準備するもの
  • 蜜蝋ワックス
  • 柔らかい布(綿やマイクロファイバーがおすすめ)
  • サンドペーパー(必要に応じて)
  • 作業用の手袋

蜜蝋ワックスは布を使って、材料に塗布していきます。

ワックスなので手袋は必須です。

それでは、使い方を解説していきます。

STEP
木材表面の準備

まずは、塗る面の準備からしていきます。

  • 木材の表面をサンドペーパー(#240~#400)で研磨
  • ほこりや汚れを取り除き、乾燥させる

そのままでは木材表面は荒いので、サンダーやサンドペーパーで研磨していきます。

その後、ゴミやホコリで木材に傷がつくかもしれないので、拭き取りもしておきます。

汚れがあると、せっかくワックスを塗っても汚れが目立ってはもったいないですよね。

STEP
ワックスを塗る

乾いた布やスポンジを使って、塗り広げていきます。

  • 布に少量の蜜蝋ワックスを取り、木材に薄く均一に塗り広げる
  • 木目に沿って塗布すると、より自然に仕上がる

薄くまんべんなく塗っていき、重ね塗りをするとツヤがさらに出て、汚れや撥水効果も上がります。

ちなみに私が塗りやすいと思ったのは、スポンジの方でした。

百均のスポンジで十分で、ネット付きのスポンジが塗りやすいです。

STEP
乾燥

蜜蝋ワックスを塗ったら、しばらく乾燥させます。

  • ワックスが表面に馴染むまで、30分から1時間ほど放置する
  • 厚く塗りすぎると乾燥に時間がかかるため、薄く塗ることを心がける

厚く塗ってしまうと拭き取りも大変になるので、薄く伸ばしていくのがコツ。

STEP
乾拭き

ワックスを塗った後、30分ほど放置して乾いた布で乾拭きしていきます。

  • 清潔な布で表面を軽く磨き、艶を出す
  • 磨くほどに光沢が増し、滑らかな手触りになる

この時点で蜜蝋ワックスの効果がよく分かるはず。

鮮やかな色合いに変化します。

STEP
必要に応じて繰り返す

もっと仕上がりを良くするには、同じ作業を繰り返します。

  • 深みのある仕上がりを求める場合は、塗布と磨きを数回繰り返す

ただし、一回の塗布でも効果は十分。

私の場合は、一回で済ませることが多いです。


蜜蝋ワックスのメリットとデメリット

木工での塗装は、ニス・オイル・ステインなどいろいろ種類があります。

数ある塗料の中で、「蜜蝋ワックスのメリット・デメリットは何なのか?」を解説していきます。

メリット

  • 天然素材で安心して使用可能
  • 簡単に塗布でき、初心者でも扱いやすい
  • 再塗布で簡単に修復できる
  • 木本来の風合いを活かせる

蜜蝋ワックスは無垢の木や本革に対して表面に膜をつくり、汚れ防止・防腐効果・撥水の効果が得られます。

テーブルに塗った場合、濡れたコップを置いてもシミになりにくい状態を維持することが可能。

さらに、無塗装に近いためナチュラルな雰囲気に仕上がり、自然の風合いを残したい方に適しています。

デメリット

  • 耐久性は化学塗料に劣る
  • 熱や摩擦に弱く、頻繁なメンテナンスが必要
  • 防水性能は限定的で、屋外使用には向かない

蜜蝋ワックスは天然素材のため、化学塗料のような極端なツヤを得ることはできません。

しかし、適度なツヤを得ることができ、木目がはっきり残るため、木のやわらかい印象を残すことができます。

ほかにも化学塗料と違い、蜜蝋ワックスは薄い膜で覆われるため、木材の呼吸・調湿作用を損なうことがない長所があります。

蜜蝋ワックスの注意点

定期的なメンテナンス

蜜蝋ワックスは期間がたつと効果が薄れていくため、定期的に塗る必要があります。

メンテナンスは、3ヶ月~6ヶ月で行いましょう。

状況により塗装部分が薄くなったり剥げてきたら、その都度塗り直していきます。

熱に弱い

蜜蝋ワックスは、45〜60℃で溶ける性質があります。

食洗機に入れるもの、熱を持つものなど、40℃以上の高熱になる所への塗布はやめた方がよさそうですね。

廃棄方法

一番注意しなければいけないのが、使った後の処理の仕方です。

熱がこもる環境に放置すると、酸化により発熱し、自然発火の恐れがあり注意が必要です。

  • 塗る際に使用した布やスポンジ、拭き取りに使用した布を丸めたり重ねたりしない
  • 熱のこもる場所に捨てたり保管したりしない
  • 使用後は、水にたっぷり濡らして処分する

水に濡らして処分しますが、濡らした状態でも長時間おいて乾いてしまうと発火の恐れがあります。

処分するまでは、乾かない量の水につけて捨てましょう。

では、「蜜蝋ワックスを塗った木材はどうなのか?」と思うのが普通。

空気に触れる部分が多く、酸化や熱がこもることがないことから、蜜蝋ワックスを塗った木材が発火する心配はないのでご安心を。

まとめ

蜜蝋ワックスを実際に塗って感じたことは、臭いが少なく、ラクに塗れて、失敗もしないといったメリットだらけ。

蜜蝋ワックスは、木材や革製品を自然な美しさで保護する優れた仕上げ材です。

簡単に塗布でき、初心者からプロまで幅広いユーザーに支持されています。

その安全性と環境への配慮から、サステナブルな暮らしを目指す方に最適な選択肢と言えるでしょう。

個人的には、この蜜蝋ワックス一択になりました。

自分で作る楽しさや、メンテナンスのしやすさも蜜蝋ワックスの魅力の一つ。

ぜひ、この天然素材を活用して、あなただけのアイテムや空間をより美しく、長持ちさせてください。

それでは皆さま、ご安全に。

今回使用した工具

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