素人感なくすポイント解説!DIYでプロっぽい収納棚を作る方法解説

お疲れ様です、ichiです。​

これまで自宅の家具から車の車中泊仕様で、いろいろDIYで作ってきました。

DIYを始めて5年くらい経ちましたが、木工の基本も少しは分かってきた気がしています。

そこで今回は、この記事のタイトルでもあるように「棚の作り方」を解説していきます。

この記事に辿り着いたということは、少なからずDIYに興味がある方だと思います。

今回は、プロがつくったような家具になる作り方を解説していきます。

その要が、棚本体の組み立て。

“素人でもちょっとした工夫でワンランクアップした家具になる”

自分で好きな家具が作れて、既製品のような仕上がりになると思ったらワクワクしませんか?

そんな気持ちを共感していただける方は、ぜひ最後までお付き合いください。

YouTubeでも配信しているので、動画で観たい方はこちらをご覧ください。

目次

完成品の紹介

まずは完成品からお見せします。

無垢材でつくった収納棚になります。

スライドレールを使った大きな引き出しで、大容量の収納力。

キャスターもつけているので、移動も簡単。

自宅でサブバッテリーを使うのに乗せるボードとして作りましたが、この収納棚ならテレビボードとしても使えます。

ちなみに作り方としては、DIYを始めて間もない頃につくったテレビボードと、ほとんど同じ作り方。

DIY初心者の方でも、作り方さえ分かればこのような棚を作ることが可能です。

無垢の家具を買おうと思うと、それなりに高価。

既製品にも負けない無垢の家具が自分でつくれたら、日常の充実感アップします。

ぜひチャレンジしてみてください。

材料の紹介

まずは、今回使う材料を紹介していきます。

木材

杉無垢ボード

私のDIYでは、もはやレギュラーとして登場する「杉無垢ボード」です。

接ぎ合わせされた集成材とはいえ、これだけのサイズの無垢材がこの価格で手に入るのはコスパが良すぎます。

DIYerとしては、ありがたい材料です。

合板(12mm)

引き出しの材料として、合板を使います。

見えない箇所は出来るだけコストを抑えていきたいので、端材を使いました。

ベニヤ板(2.5mm)

ベニヤ板は背板に使います。

背板は何でもよかったので、これも家に余っていた端材を使います。

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金具類

スライドレール

今回の収納棚には引き出しをつけるため、スライドレールを使います。

長さは、350mm。

大容量の収納スペースができそうです。

取手

取手は、自分好みのモノで選ぶと満足度も上がります。

最近では百均でもおしゃれなデザインがありますよね。

製作に使うもの

DIYには、電動工具や道具が必要不可欠。

今回使うものを全て紹介していきます。

(※この記事の一番最後に商品リンクもあります。)

電動工具

製作につかう電動工具も紹介していきます。

私が使っているモノになりますが、使う電動工具は5つ。

  • インパクトドライバー
  • ドリルドライバー
  • 丸ノコ
  • トリマー
  • サンダー

全て持っていなくても作れますが、インパクトと丸ノコは持っておきたいところ。

これから木工を楽しみたい方は、必要になってくる電動工具です。

それぞれの詳細は過去に紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。

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電動工具アクセサリー

インパクト・ドリルドライバー用ビット

インパクトドライバーやドリルドライバーで使うビットはこちら。

  • プラスビット(PH2)
  • プラスビット(PH1)
  • 下穴錐
  • 皿取錐
  • 埋木錐
  • センター一発

こちらも全て揃えなくても、プラスビットと下穴錐があれば製作可能です。

ただ作品のクオリティを上げたいのであれば、全て持っておきたいアイテムばかり。

これから本格的にDIYをしていく方は、揃えてみてはいかがでしょう。

もっと詳しく知りたい方は、こちらもチェックしてみてください。

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トリマー用ビット

トリマーで使用するビットは2点。

  • ボーズ面ビット
  • ストレートビットorエンドミル(3mm)

「ボーズ面ビット」は、主に面取りや曲線加工で使うモノ。

デザイン性が求めて仕上げるのに非常に便利です。

「ストレートビット」は、最も基本的で多用途に使えるビットです。

溝を掘ったり穴をあけたりする作業に適しています。

「エンドミル」は、ストレートビットより切れ味が良く、平面だけでなく縦横に動かしながら加工が可能です。

主にフライス盤などで使われるビットですが、トリマーにも応用できるタイプもあります。

さらに、ストレートビットとエンドミルの違いを掘り下げてみましょう。

ストレートビットとエンドミルの違い
  • 刃の位置
    ストレートビットは基本的に「先端だけ」を使って切削するのに対して、エンドミルは「側面」と「先端」の両方を使って切削することが可能。
  • 用途の違い
    ストレートビットは一般的に溝掘りや直線的なカットに向いていますが、エンドミルは立体的な加工が可能。
  • 刃の設計
    ストレートビットは一方向に向いた刃を持つのに対して、エンドミルは複数の切削面を持っているため多機能に使える。

トリマーにはいろいろなビットがあり多種多様な加工ができますが、今回はこのビットたちを使っていきます。

丸ノコ用チップソー

丸ノコを購入した際に、モノによっては刃が付属されていない場合もあります。

そんな時は企画にあったチップソー(刃)を購入する必要があります。

私の丸ノコは125mm対応なので、125mm径のチップソーを購入する必要があります。

使っているチップソーは「山真製鋸のブラックパールサイレント」ですが、コスパが良くて切断面もキレイなので、125mmの丸ノコにはおすすめです。

チップソーの交換や、丸ノコの使い方についてはこちらをご覧ください。

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サンダー用ペーパー

サンダーは研磨する電動工具ですが、サンドペーパーは別途購入。

いろいろな番手がありますが、今回使うのは「#120・#240・#400」の3つ。

#120である程度研磨した後、#240もしくは#400で仕上げていきます。

大工道具

電動工具以外にも、いろいろな道具も必要になってきます。

  • クランプ
  • 鉛筆
  • 金槌
  • 毛引
  • ボンド
  • 差し金
  • 完全スコヤ
  • スケール(定規)
  • 丸ノコガイド
  • 丸ノコ用の自作治具
  • トリマー用の自作治具
  • のこぎり(アサリなし)

丸ノコやトリマーに使う自作治具は、ベニヤや合板で作れます。

作り方はネットでいろいろな方が紹介しているので省きますが、簡単に作れるので丸ノコを持っている方はぜひ作ってみてください。

集塵機

最後に、出来れば持っておきたい集塵機の紹介です。

私が使っている集塵機は、HAIGE製の充電式掃除機(乾湿両用)ですが、この集塵機はマキタのバッテリーで稼働する優れもの。

コードレスなので、使いながらの移動もしやすくて便利でおすすめです。

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棚の作り方

カット編

カット前の墨付

墨付け(すみつけ)は、大工仕事や木工の作業で材料に正確な印をつける作業のことです。

木材を切ったり、加工したりする際に、墨付けが正確でないと仕上がりに影響します。

必要な道具
  • 差し金または完全スコヤ:木材の直角や寸法を測るためのL字型の定規
  • 鉛筆またはシャープペン:細かい部分や補助線を引くのに使用
  • スケール(定規): 長さを測定

基本手順は以下のとおりです。

STEP
材料を確認して配置を決める
  1. 木材の表面の状態を確認し、節や傷が目立たない面を「見える面」にする。
  2. 材料の木目や繊維方向を考慮し、どちらが強度や見た目に良いか判断。
STEP
差し金で直角や寸法を測る
  1. 差し金を基準面に当て、垂直や水平の線を引く。
  2. 必要な寸法を測りながら、線を引いていく。

家のリフォームなどでは、他にも墨壺やチョークラインを使ったりしますが、家具製作ではこんな感じ。

材料の状態や方向などを意識すると、出来上がりのクオリティもアップします。

墨付けの注意点
  • 寸法を二度確認する
     墨付け前に寸法を再確認し、誤差を防止。
  • 道具の使い方に慣れる
     差し金や墨壺の扱いに慣れることで、正確な線を引けます。
  • 線の種類を区別する
     加工する線、仕上げる線、ガイド線など、線の種類を区別しておくと作業がスムーズ。

墨付けは木工の基本技術であり、練習を重ねることで正確性が向上します。

まだ慣れていない初心者の方は、簡単な製作から始めてみるといいかもしれません。

他にも過去の記事で紹介しているので、もっと詳しく知りたい方はこちらも確認してみてください。

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棚本体のカット

DIYで家具を作るうえで、木材を正確にカットすることは完成度を左右する重要な工程です。

カット工程を詳しく解説していきます。

必要な道具
  • 丸ノコ:直線を正確に切るのに便利
  • 手のこぎり:細かい作業向き
  • 作業台:作業するうえで必要不可欠
  • クランプ:木材を固定して安全にカットするために必要
  • 差し金やスケール:正確な測定と直角の確認に使用
  • 丸ノコガイド(自作治具):丸ノコで直線にカットするのに必要
  • 集塵機:大量の粉塵や木屑が出るため持っていると便利

カットする手順は、以下の通り。

STEP
木材を固定する
  • 作業台またはクランプで木材を固定
     固定が不十分だとカットがずれたり、ケガの原因になるので、木材が動かないようにしっかり固定
STEP
丸ノコを墨線に合わせる
  • 丸ノコガイドや自作治具をあて、丸ノコの切り始めを墨線に合わせる
STEP
カット開始
  • 材料から離れた位置で丸ノコを起動して、ゆっくりと材料に刃を当てて切り進める
  • 一定のスピードで進み、刃を無理に押し込まないようにする
STEP
断面をチェック
  • 墨線通りにカット出来ているか確認
カットのポイントと注意点
  • 安全第一
     保護メガネを着用し、周囲の安全を確認
  • 試し切りをする
     初めて使用する工具や木材の場合、端材で試し切りをして感触を確認する
  • 木目に注意する
     木目の方向を意識してカットすることで、割れや欠けを防止

手順を守ることで、正確で安全なカットが可能になります。

丸ノコは電動工具の中でも、とくに取り扱いに注意が必要です。

初心者の方は手のこぎりで基本を習得し、慣れてきたら電動工具を使うといいかもしれません。

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引き出しのカット

カットする手順は棚本体のカットと同じです。

ただ引き出しについてはスライドレールを使うので、スライドレールの厚み分を引いた幅で作らないといけません。

スライドレールに合わせたサイズにカットする必要があります。

今回使うのは、「スガツネ工業」製のスライドレール。

スライドレールの厚みは12.7mmですが「13mm」として考えるので、棚本体の内寸から両側合わせた「26mm」引いたサイズにしなければいけません。

例)棚本体の内寸600mmだった場合
「棚の内寸」600mm − 「スライドレール厚み」26mm = 「引き出しの幅」574mm

その辺りの計算もして、引き出しの材料をカットします。

加工編

溝掘り加工の墨付

今回は背板となるベニヤ板を、はめ込むカタチで組み立てます。

ベニヤ板を差し込める溝を天板・側板・底板に掘っていくので、まずはその墨付からです。

必要な道具
  • 差し金または完全スコヤ:木材の直角や寸法を測るためのL字型の定規
  • 毛引:簡単・正確に罫書きができる大工道具
  • 鉛筆またはシャープペン:毛引がない場合は必要
  • スケール(定規): 長さを測定

「毛引」とは、大工道具の一種で、木材に線を引くための工具です。

主に木材加工や建築作業で使われ、切断や加工の際に正確な位置を示すために用いられます

手順はこちら。

STEP
線を引く位置を決める

毛引で線を引く位置をあらかじめ測定し、目盛りや寸法を確認します。

STEP
針の調整

ゲージ(押さえ部分)をスライドさせ、針とゲージの間隔を必要な寸法に合わせます。

寸法はスケール(定規)などで確認し、正確に調整してください。

STEP
固定する

ゲージの位置を決めたら、ネジやクランプでしっかりと固定します。

これにより、作業中にズレるのを防ぎます。

STEP
木材を安定させる

作業台やクランプを使い、木材をしっかり固定します。

木材が動かないようにすることが重要。

STEP
毛引を木材に当てる

本体(胴)を木材の側面にしっかりと密着させます。

このとき、胴が木材に平行であることを確認します。

STEP
線を引く

毛引を軽く押さえながら、木材の表面を滑らせます。

針が木材を削る感触を意識し、一定の力で動かします。

一度で線が薄い場合は、同じ場所を繰り返し引いて線を濃くします。

STEP
確認する

引いた線が予定通りの位置か、寸法通りかを確認します。

線がズレている場合は、再度毛引を調整して引き直します。

  • 木目の向きに注意
    木材の木目に沿って引く場合、針がスムーズに動きますが、木目に逆らう場合は引っかかることがあります。
    この場合は力を入れすぎないようにしましょう。
  • 針の状態を確認
    毛引の針が鈍っていると、正確な線を引けなくなります。
    定期的に針を研いでおくことが大切です。
  • 深さに注意
    線を深く引きすぎると、木材に傷がつきすぎることがあります。
    軽い力で薄く線を引き、必要に応じて濃くする方法がおすすめです。
  • 正確な寸法合わせ
    ゲージの位置を決める際、寸法が正確であるか必ず確認してください。
    少しのズレが仕上がりに影響します。

毛引を正しく使いこなすことで、木材加工の精度が格段に向上します。

扱いも難しくないので、ぜひ使ってみてください。

トリマーで溝を掘る

背板をはめ込むための溝を、トリマーを使って掘っていきます。

溝を掘る作業を解説していきます。

必要な道具
  • トリマー:簡単に早く溝が掘れる電動工具
  • ストレートビットもしくはエンドミル:溝を掘るための専用ビット
  • 作業台:作業するうえで必要不可欠
  • クランプ:木材を固定して安全に作業するために必要
  • 差し金やスケール:正確な測定と直角の確認に使用
  • 自作治具:トリマーで直線に掘り進めるのに必要
  • 集塵機:大量の粉塵や木屑が出るため持っていると便利

溝を掘る手順は、以下の通り。

STEP
ビットを取り付ける

トリマーのシャフトにビットを挿入し、しっかり固定します。

今回は2.5mmのベニヤ板を差し込む溝を掘るので、3mmのストレートビット(もしくはエンドミル)を使います。

STEP
掘る深さを調整する

溝の深さに応じて、トリマーの深さ調整機構をセットします。

試し掘りをして確認するのがポイントです。

STEP
速度の調整(可変速度トリマーの場合)

ビットや木材の種類に応じて速度を調整します。

STEP
木材を固定する

作業台またはクランプで木材を固定。

カット工程と同様、木材が動かないようにしっかり固定します。

STEP
直線ガイド治具の固定

トリマー用治具や直線ガイドをクランプなどで固定し、トリマーがまっすぐ動けるようにします。

STEP
試し掘り

端材を使って試し掘りを行い、ビットの深さ・幅・速度を確認します。

問題があれば調整します。

STEP
トリマーを起動

トリマーのスイッチを入れ、ビットが適切な速度で回転していることを確認します。

STEP
木材に当てる

トリマーを木材に軽く押し当て、ガイドに沿って動かします。

最初は浅い深さ(2〜3mm)で掘り、必要に応じて複数回に分けて深さを増やします。

STEP
一定の速度で動かす

トリマーをゆっくりと一定の速度で動かします。

速すぎると切削が不十分になり、遅すぎると焦げやバリが発生するので注意。

STEP
端で止める

側板は端から端まで溝を掘りますが、天板・底板は組み上げた時に溝が見えないようにしなければなりません。

天板・底板は、溝の終端に到達したらトリマーを止め、ビットを木材から引き上げます。

STEP
作業後の確認

掘った溝が、予定の深さ・幅・位置になっているか確認します。

必要であれば、再度トリマーを使用して調整します。

トリマーも高速で刃が回転する電動工具なので、取り扱いに注意が必要です。

注意点をいくつかまとめてみました。

注意点

安全第一

  • トリマーは高速で回転するため、手を巻き込まれないよう注意します。
  • 作業中は手袋を着用せず、直接触れないようにします。

トリマーの向きに注意

  • ビットの回転方向に逆らう「クラウニングカット(逆送り)」を避けることで、木材の欠けや工具の跳ね返りを防ぎます。
  • トリマーは必ずビットの回転方向に従って進めます(通常は右から左)。

切削深さを分ける

  • 一度に深い溝を掘ると、ビットに負荷がかかり破損のリスクがあります。浅い深さから数回に分けて作業します。

作業環境を整える

  • 集塵機を接続して木くずを取り除くと視界が良くなり、仕上がりも向上します。
  • 作業台の周囲を整理し、邪魔にならないようにします。

気をつけるポイントが多数ありますが、注意していれば便利な電動工具になります。

使いこなして、いろいろな加工を楽しんでください。

トリマーで面取り

引き続き、トリマーを使っての作業。

面取り作業は、木材の角を滑らかに仕上げるための基本的な作業の一つです。

見た目を美しくするだけでなく、角の欠けを防ぎ、触り心地を良くする目的でも行われます。

必要な道具
  • トリマー:面取りに欠かせない
  • ボーズ面ビット:溝を掘るための専用ビット
  • 作業台:作業するうえで必要不可欠
  • クランプ:木材を固定して安全に作業するために必要
  • 集塵機:大量の粉塵や木屑が出るため持っていると便利

作業の流れは、溝掘りと基本的には同じなので簡単に解説します。

STEP
木材の固定

木材を作業台にしっかりと固定します。

木材が動かないよう、クランプを使用します。

STEP
トリマーの操作準備

トリマーのスイッチを入れる前に、ビットが木材の角に適切に接触する位置を確認します。

トリマーの底面が木材にしっかりと接していることを確認。

STEP
トリマーを起動

トリマーのスイッチを入れ、ビットが設定された回転速度に達するのを待ちます。

STEP
木材に当てる

ビットを木材の角にゆっくりと当てます。

最初に軽い力で試し加工を行い、仕上がりを確認します。

STEP
一定の速度で動かす

トリマーを木材の端から端まで一定の速度で動かします。

動きが速すぎると加工が浅くなり、遅すぎると木材が焦げることがあります。

STEP
角を回る場合

木材の角を面取りする際は、トリマーをスムーズに回し、ビットの回転方向を意識して加工します。

STEP
反対側も同様に加工

必要に応じて、木材の他の辺や角も同じ手順で加工します。

STEP
作業後の確認

面取りした部分が均一で滑らかになっているか確認します。

必要に応じて、再度トリマーを使用して微調整します。

注意点
  1. トリマーの向きと進行方向
    • ビットの回転方向(通常は時計回り)に対して、逆方向にトリマーを動かす「逆送り」が基本。
  2. 一度に深く削らない
    • 一度に大きく削ると、木材が欠けたりビットが負荷で壊れたりすることがあります。
    • 浅めに設定して複数回に分けて加工するのがおすすめ。
  3. 木目の向きに注意
    • 木目に逆らうと欠けが発生しやすいため、木目に沿った方向で加工します。
  4. 端材で試し加工を行う
    • 本番の木材で作業する前に、端材で試し加工を行い、ビットの深さや仕上がりを確認します。
  5. トリマーの安定性を確保する
    • トリマーを傾けたり、不安定な姿勢で作業しないよう注意します。

トリマーでの面取りは、美しい仕上がりを得るために重要な作業です。

正確な設定と慎重な操作を心がけることで、木材加工の品質を向上させることができます。

練習を重ねて、スムーズな作業を目指しみてください。

研磨編

サンダーを使った研磨作業は、木材の表面を滑らかに仕上げたり、塗装前の下地処理を行ったりする際に重要な作業です。

準備から作業手順、注意点まで詳しく解説します。

必要な道具
  • サンダー
    用途に応じて適切なサンダーを選びます。

    ・オービタルサンダー:小型で細かい研磨作業に適している。

    ・ランダムオービタルサンダー:円運動とランダム運動を組み合わせ、均一で滑らかな仕上がりが得られる。

    ・ベルトサンダー:粗削りや広い面の研磨に適している。

    ・ディスクサンダー:特定の形状や細部の研磨に使用される。
  • サンドペーパー(研磨紙)
    番手(粗さ)を用途に応じて選択します。

    ・粗削り:40~80番

    ・中仕上げ:120~180番

    ・仕上げ:220番以上
  • 集塵機またはマスク
    研磨時に発生する粉塵を吸い取る装置や、防ぐマスクを用意します。

今回は、ランダムオービタルサンダーを使います。

作業方法がシンプルなので、簡単に解説します。

STEP
サンドペーパーの取り付け

サンダーに適したサイズと形状のサンドペーパーを選びます。

マジックテープの場合はしっかりと貼り付け、クランプ式の場合はしっかり固定します。

STEP
速度調整(可変速モデルの場合)

材料や作業内容に応じて適切な速度を設定します。

柔らかい素材には低速、硬い素材には高速が一般的です。

STEP
試し運転

サンダーを短時間動かして、ペーパーの取り付けや動作に異常がないか確認します。

STEP
研磨

荒削り

目的:表面の大きな凹凸を取り除きます。

  • 木材が粗い場合は、40~80番の粗いサンドペーパーを使用します。
  • サンダーを素材に軽く当て、均一に動かします。
  • 力を入れすぎないようにし、サンダーの重さを利用して研磨します。

中仕上げ

目的:粗削り後の傷を整え、滑らかにします。

  • 120~180番のサンドペーパーに交換します。
  • 同じようにサンダーを動かし、粗削りで残った傷を均一に消します。
  • 動かす方向は直線的か、場合によっては円を描くようにします。

仕上げ研磨

目的:滑らかな最終仕上げを行います。

  • 240番以上の細かいサンドペーパーを使用します。
  • サンダーを低速に設定し、軽い力で表面を研磨します。
  • 細部まで均一に仕上げます。
STEP
作業後の確認

手で触れて滑らかになっているか、表面の確認をします。

傷や凹凸が残っている場合は、適切な番手で再度研磨します。

注意点
  1. 粉塵対策
    研磨作業では多くの粉塵が発生するため、マスクや集塵機を使用して健康被害を防ぎます。
  2. 力を入れすぎない
    サンダーは自重で研磨する設計になっています。
    強く押し付けると、研磨面が均一でなくなり、ペーパーや素材が損傷します。
  3. サンダーの動きに注意
    一箇所に長時間留めないようにし、均一な仕上がりを目指して動かします。
    特に木材の場合、木目に沿った動きを意識します。
  4. サンドペーパーの状態を確認
    サンドペーパーが摩耗したら早めに交換します。摩耗したペーパーを使うと仕上がりが悪くなります。

サンダーを使った研磨作業は、適切な手順と道具選びをすることで、仕上がりの質が大きく向上します。

あせらず丁寧に進めることが、成功の鍵です。

組み立て編

スライドレールを取り付ける作業は、家具製作やDIYでよく行われる作業の一つです。

スムーズに動く引き出しを作るためには、正確な計測と取り付けが重要です。

以下に、作業の手順を詳しく解説します。

引き出しの組立

まずは、引き出しから作っていきましょう。

スライドレールも取り付けていくので、とても大事な工程です。

必要な道具
  • 引き出し本体の材料(側板、底板、前板、後板)
  • スライドレール
  • 電動ドライバーまたは手動ドライバー
  • センター一発(電動ドライバーの先端ビット)
  • クランプ(固定用)
  • 定規またはメジャー
STEP
底板と側板・前後板の接合

今回は下穴を開ける必要がないスリムビスを使用。

底板・側板・前後板をビスで固定していきます。

STEP
直角の確認

組み立てた引き出しが直角に組み上がっているか確認します。

対角線上に定規を置いて、長さが同じであれば直角になっています。

引き出しにスライドレールを取り付ける

STEP
スライドレールの取り付け
引き出しに使うインナーレール

引き出しが組み上がったら、スライドレールの取り付けです。

スライドレールは、棚本体側と引き出し側に分けて取り付けます。

棚本体側には、外側の太いアウターレール
引き出し側には、内側の細いインナーレール

アウターレールとインナーレールを分解して、インナーレールを引き出しに使用。

STEP
治具(切れ端)を使ってスライドレールを取り付ける

今回の引き出しに使った材料は、厚み12mmの合板。

スライドレールをそのまま置いてビスで固定すると、底板の高さとビスの固定位置が近いため、上手くレールの固定ができません。

そこで5mm厚の切れ端を使って、スライドレールのビス止め位置をカサ上げします。

これなら安定してますし、平行に固定するのも簡単です。

あとは、スライドレールの前側と引き出しの前側を合わせて固定するだけです。

ちなみに下穴は、「センター一発」という先端ビットを使うと便利。

詳しくはこちらの記事で紹介しています。

棚本体の組み立て

この工程が、棚のクオリティを上げる一番大事な作業になります。

必要な道具
  • 棚本体の材料(側板、底板、前板、背板)
  • スライドレール
  • インパクトドライバー
  • ドリルドライバー
  • 下穴錐
  • 皿取錐
  • 埋木錐
  • センター一発(電動ドライバーの先端ビット)
  • クランプ(固定用)
  • 定規またはメジャー
  • 手ノコ(アサリのないタイプ)
  • 金槌
  • ボンド
STEP
ポイントは「端を合わせないこと」

各パーツの端をズラすことで、見栄えが良くなります。

他にも理由があって、無垢材はいずれ反りや変形していくもの。

端をズラしておくことで、反りや変形しても分かりにくいといったメリットがあります。

私の場合は、だいたい「10mm」ほどズラすことが多いです。

しかし、全ての端をズラしておくと良いというわけではありません。

今回は引き出しもつけるため、棚本体の前側は端を合わせます。

臨機応変に考えてつくる必要があります。

STEP
底板と側板をクランプで仮固定する

さきほどのポイントを考えながら、組み立て位置が決まったらクランプで固定します。

いきなりビスで固定してもいいですが、慣れない方はこの方法がおすすめです。

クランプで固定していれば、ビスを打つ時にパーツが動くことがないので、安定して固定できます。

ちなみに組み立て位置は、さきに墨線を引いておくと分かりやすいです。

溝掘り加工の墨付でつかった「毛引」を使うと、簡単ですね。

STEP
ビスを打つ箇所に印をつける

クランプで底板・側板を固定したら、固定した材料が動かないように注意しながらひっくり返します。

ひっくり返したら、ビスを打つ位置にマーキングしていきます。

適当に打っても固定できますが、せっかくなら打ったビスもきれいに並べたいですもんね。

STEP
底板・側板をビスで固定する

ビスを打つ時に基本としてほしいのが、この3つの流れ。

  • 下穴をあける
  • 皿取り加工
  • ビスを打つ
皿取り加工した穴

下穴はビスを打つ基本ですが、皿取り加工もしておくとビス頭が収まるので、ぜひやっておきたいところ。

ビスがきれいに収まることで、見た目も良くなるので試してみてください。

STEP
底板・側板の位置確認

ビスを打ったら、底板と側板の位置を確認します。

  • 左右の側板が平行についているか?
  • 引き出しが入る内寸になっているか?
  • 背板をはめ込む溝は一致しているか?

普通に組み立てるだけでも大事なことですが、今回はこのあとに引き出しも取り付けるので、直角の組み上げがかなり重要になってきます。

必ず確認しておきましょう。

STEP
背板を差し込む

底板と側板の溝に、背板となるベニヤ板を差し込みます。

天板を固定してからでは取り付けることができないので、この時点で取り付けておきます。

STEP
スライドレールを取り付ける

天板を固定する前に、スライドレールも取り付けていきます。

棚本体に固定するのは、アウターレール。

本来は、棚本体を組み立てる前にスライドレールを取り付けた方が簡単かもしれません。

私の場合は、ここまで組み立てていつもスライドレールを取り付けています。

ここでも引き出しの時と同じで、5mm厚の切れ端とセンター一発を使っていきます。

アウターレールも、側板の前側に合わせて固定します。

STEP
天板をクランプで仮固定する

ビス打ちをする前に、ここでもクランプで仮固定しておきます。

もちろん底板と同じで、端を合わせないようにするのもポイント。

ビスを打つ箇所も、マーキングしておきましょう。

STEP
天板をビスで固定する

天板をビスで固定していきますが、ここではさらに細工を入れます。

もう皆さんご存知のとおり、ビスを打つ時は下穴・皿取りをするのがおすすめ。

しかし、この天板では「皿取り」ではなく「埋木」をします。

天板はビスが見えると、ちょっと見た目が悪いですよね。

そこで、ビスが見えないように埋木をして自然に見せようというわけです。

埋木する前のビスを打ち込んだ状態

埋木をするための穴は、皿取錐でビスが埋まるまで深くまで穴をあけるだけ。

皿取錐で深くまで掘った穴に、ビスを打ち込んで天板を固定していきます。

STEP
「埋木」をつくる

埋木をするには、まずその材料を作ってやる必要があります。

皿取錐とペアで販売されている「埋木錐」を使います。

埋木を作る素材は、対象の素材と同じものを使うと自然に仕上がるので合わせた方が良いです。

埋木錐を使う場合は、インパクトドライバーよりドリルドライバーがおすすめ。

まずはキズだけをつけるイメージで、木材に軽く当て、回転させます。

キズがついたら、そこから真っ直ぐ押し込んで掘っていきます。

あとはマイナスドライバーで折ると、取り出すことができます。

これで埋木の出来上がりです。

この埋木錐は扱いにちょっとコツがいるので、練習を重ねてマスターしてみてください。

STEP
ビス穴に埋木をする

ビス穴にボンドを入れ、さきほど作った埋木を叩き入れたら、アサリのない手ノコではみ出た部分を切り落とします。

少し残っていてもサンダーで研磨したら平面になります。

STEP
組み立てた棚本体の確認

最終確認をします。

レール位置や棚の組み立てに問題がないか、確認しておきましょう。

引き出しに化粧板を取り付ける

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引き出しを入れる

組み立てた棚に、スライドレールを使って引き出しを取り付けます。

最初は入りにくいですが、組み立てに問題なければ力づくで押し込めば入ります。

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引き出しのスライドに問題がないか確認

念のため、引き出しの動きに問題がないか確認します。

スムーズにスライドしない場合は、側板の内寸が狭いなどの原因が考えられるので、調整する必要があります。

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化粧板の位置調整

引き出しに化粧板を取り付けますが、天板との隙間が必要です。

私の場合は、3mmのベニヤ板を天板と化粧板の間に挟んで位置調整しました。

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化粧板の固定位置をマーキング

ベニヤ板を挟んだ状態で、左右と上下の位置をマーキングします。

他にもっと効率のいい方法があるのかもしれませんが、私の場合はこの方法で位置を合わせています。

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化粧板を引き出しに固定する

引き出しを棚本体から取り外して、化粧板を引き出し前板の裏側からビスで固定します。

この時に、さきほどマーキングした位置をしっかり確認しましょう。

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化粧板の位置確認

引き出しに化粧板を固定したら、棚本体に再び引き出しを取り付けて、問題がないか確認します。

平行・天板との干渉がなければOKです。

仕上げ編

キャスターの取り付け

この棚は移動させたいので、キャスターをつけていきます。

「平付けプレートタイプ」「エラストマー」素材のキャスターを使います。

キャスターには、他にもいろいろな種類があります。

詳しくは過去に解説した記事があるので、詳細を知りたい方はこちらも参考にどうぞ。

塗装

塗装は、蜜蝋ワックスを使いました。

蜜蝋ワックスは、蜜蝋(みつろう)とオイルを主成分とする自然素材のワックスです。

ミツバチが巣を作る際に分泌する天然のワックスで、優れた保護効果と艶出し効果があります。

蜜蝋ワックスについても過去に紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。

取手の取り付け

最後に、取手をつけたら完成です。

製作した家具に似合う取手をつけてあげると、取手もオシャレなアクセントになります。

取手は百均でも数多く置かれているので、ホームセンター以外でも探してみるといいかもしれませんね。

完成

引き出し・キャスター付きの棚が完成しました。

杉の無垢材を使ったナチュラル仕上げ。

素人のDIYで作ったにしては、上出来な仕上がりではないでしょうか。

ちょっとした工夫を取り入れることで、まるでプロが作ったような仕上がりに見える家具製作。

満足のできる棚が完成しました。

まとめ

今回の棚製作DIYでは、シンプルな工程を通じて自分だけのオリジナル家具を作る楽しさをお届けしました。

材料選びから組み立て、仕上げまで、少しずつ形になっていく過程は達成感と充実感でいっぱいです。

初めて挑戦する方も、経験を積んだ方も、自分のアイデアを形にする喜びをぜひ味わってみてください。

DIYは、作業の楽しさだけでなく、自分の手で作り上げたものが日常生活で役立つという特別な満足感をもたらします。

完成した棚が皆さんの暮らしをより豊かに彩ることを願っています。

次回のDIYでも、役立つ情報やアイデアをたっぷりお届けしますので、ぜひまたお立ち寄りください!

それでは皆さま、ご安全に。

今回使ったもの

【電動工具アクセサリー】(ここをクリックすると見れます!)
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